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入門講座 陰陽五行とフィトテラピー【陰陽五行思想とは】

東洋医学の基本となる陰陽五行思想とは、自然界のすべてのものを「陰と陽」、「木火土金水」の五つに分類し、自然現象や人体の器官、感情も同じように五つに分ける考え方です。

そして東洋医学の基本概念である気血水では、それぞれのバランスを整えることが大切とされます。

古来より日本では、月の満ち欠けや太陽の動き、二十四節気を用いながら農作業をして、日々の暮らしを送ってきました。

自然界とからだのリズムは深く関わりあっていて、季節を通じて変化していきます。

このからだの変化・対応には体内の五臓五腑の働きがとても重要です。

陰陽五行思想を生活に取り入れ、自然の流れ、季節の移ろいにもっと寄り添ってみませんか。

今回は陰陽五行思想についてのお話しです。

陰陽五行思想とは

「陰陽五行」とは古代中国で自然の摂理として考えられた「陰陽学」と「五行学」の双方を統合した思想です。

陰陽思想

「陰陽学」とは物事すべては陰と陽からなるという考え方で、例えば「男と女」「昼と夜」「天と地」などです。

これらは善悪ではなく、相反する二つの性質を持つものの調和からなっているとされます。

天の陽気と地の陰気が交わり、その動きの中で宇宙は万物を生み出します。

自然界のあらゆる要素を含んで生じたのが、私たち人間なのです。

私たちのからだも自然界と同様の法則で活動しています。

五行思想

「五行学」は「陰陽学」と同様に、世の中のすべてのものを木・火・土・金・水の五つに分類するという考え方で、五行の「行」とは「めぐる」ことを意味します。

地軸の傾きは春夏秋冬の四季を生みました。

方角は東西南北と四方向ですが中心を入れると五行が生まれます。

五行の「生長化収蔵(せいちょうかしゅうぞう)」は、生まれ、成長し、変化して、収穫し、種となって次の芽生えを待つ、ということを意味します。

五行はお互いに影響しあい、隣同士で相手を強める関係を「相生(そうじょう)」といい、向き合った相手を打ち滅ぼす関係を「相剋」(そうこく)」といい、全体が五つのバランスで成り立っているという考え方です。

五行配当表

五行は季節の質も表し、生きていく方法や作法、運動法や食材など、この五行のどれかに分類され、その中でもからだの機能やこころの状態は密接に結びついています。

五行の主な意味は以下のようになります。

五行
五臓 肝臓 心臓 脾臓 肺臓 腎臓
五腑 小腸 大腸 膀胱
五官
五色
五季 土用
五気 湿
五志 悲・憂 恐・驚
五味 酸味 苦味 甘味 辛味 塩辛味

四季の養生法

東洋医学の基本古典医学書「黄帝内経(こうていだいけい)」には四季の養生法が書かれています。

春は発陳(はっちん)

冬の間に隠れていたもの全てが、芽を出し活動的になり始める時。

イライラせず心身ともに活動的に過ごします。

夏は蕃秀(ばんしゅう)

草木が成長し、万物が茂り、花咲き乱れ、陽気が最も盛んになる時。

暑くてもからだを動かし、陽気を発散して、体内に熱がこもらないようにします。

秋は容平(ようへい)

万物が実を結ぶ時。容平とは収めるという意味と成長が止まり調整するという意味があります。

すべてが引き締まり収納される時期。

冬は閉蔵(へいぞう)

万物が静かに沈み消極的になる時。すべてが収納され貯蔵される時期。

貴重な陽気を逃さず、体内からの気の流出を防ぎ、心身ともに活動を控えます。

二十四節気とは

古代中国で生まれた自然暦的な伝承や陰陽五行思想と深く結びついたもので、一年を春夏秋冬の四つの季節に分け、さらにそれぞれを六つに分けたものが「二十四節気(にじゅうしせっき)」です。

二十四節気は、四季折々の気候をわかりやすく表した言葉で、日本の四季の移ろいや、自然の流れを感じ取ることができます。

「七十二候(しちじゅうにこう)」は二十四節気をさらに三等分して、ほぼ5日ごとの気象・自然・動物・植物などの変化を具体的に表したもので、農作業の目安にしていました。

春の節気

立春(りっしゅん) 2/4頃 春の始まり

雨水(うすい)   2/19頃 積もった雪が溶けて水になる

啓蟄(けいちつ)  3/5頃 虫がはい始める

春分(しゅんぶん) 3/21頃 春の中間 昼夜ほぼ同時間

清明(せいめい)  4/5頃 草木が芽生える

穀雨(こくう)   4/20頃 春の土用 春雨が降る

夏の節気

立夏(りっか)   5/5頃 夏の始まり

小満(しょうまん) 5/21頃 草木が茂る

芒種(ぼうしゅ)  6/6頃 麦が実る

夏至(げし)    6/21頃 夏の頂点 昼が一番長く、夜が一番短くなる

小暑(しょうしょ) 7/7頃 梅雨明け

大暑(たいしょ)  7/23頃 夏の土用 最も暑い

秋の節気

立秋(りっしゅう) 8/7頃 秋の始まり

処暑(しょしょ)  8/23頃 暑さがとまる

白露(はくろ)   9/8頃 葉に露が結ばれる

秋分(しゅうぶん) 9/23頃 秋の中間 昼夜同時間

寒露(かんろ)   10/8頃 寒さがつのる

霜降(そうこう)  10/23頃 秋の土用 霜が降りる

冬の節気

立冬(りっとう)  11/7頃 冬の始まり

小雪(しょうせつ) 11/22頃 雪が見え始める

大雪(たいせつ)  12/7頃 雪が降る

冬至(とうじ)   12/22頃 冬の頂点 昼が一番短く、夜が一番長くなる

小寒(しょうかん) 1/5頃 寒さがピークに向かう

大寒(だいかん)  1/20頃 冬の土用 最も寒い

東洋医学の気血水とは

人間の生理活動を担っている基本要素を東洋医学では「気血水(きけつすい)」の三つから成ると考えます。

これらの生成・貯蔵・運搬を行うのが五臓の役割です。

  • 「気」は運動や機能のエネルギー
  • 「血」は血液や栄養物
  • 「水」はからだを潤す生理的水液(リンパなど)

「水」は津液(しんえき)とも言います。

「気血水」のバランスが崩れると不調を招いてしまいます。

「気血水」のどの部分のバランスが悪いか知ることで、不調を改善しやすくなります。

これらはお互いが助け合う関係で、三つが密接に関係しながら全身を巡ります。

どれが不足してどれが過剰なのかを見つけ、それに合った対処法を選ぶことが大切です。

「気」が不足するとエネルギー不足で機能低下を招き、「血」が不足すると栄養や潤いが不足して流れが滞ったり固まったり血行不良に、また「水(津液)」が不足すると熱中症や脱水症状になります。

まとめ

陰陽五行思想についてはいかがでしたか。

二十四節気は四季折々の移ろいを二文字で簡潔に表していて、日本語の美しさに気付かされます。

陰陽五行を知ると、私たちは自然の中で生きているということ、私たち人間も自然界の一部であるということも改めて感じます。

自然の流れに寄り添い、自然に調和した暮らしかたをすることが健康への第一歩です。

自然と人との調和、こころとからだの調和など、バランスを整えながら生活していきましょう。

 

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